あたしはヨコハマを知らなかった

命の重みをこの手に感じたのは、
1999年の秋だった。
たった2kgだったけど、
いままでに手にした何よりも重かった。
これが命なんだ、と思った。
本の表紙の写真は、
1999年に建てられた慰霊碑だ。
片方しかない天使の羽根。
このまわりには、900人もの小さな命が眠っているという。
それも、この慰霊碑がある墓地は、
我が家から歩いて5分ほどのところにあった。
それが、あたしの知らなかった、
戦後のヨコハマのワンシーンだった。
900人、どの子の重みも、
1999年の秋にあたしが知った命の重みと同じだったはずだ。
どんな事情があったとしても、
それが混乱の歴史だとしても、
忘れちゃいけない命がそこにあるはず。
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