ゼロ・ダーク・サーティ
始まりは、2001年9月11日。
忘れもしないあの衝撃。
スクリーンから流れる電話の声、
途切れる会話、あのときの絶望感を思い出させ、
一気に観客を引き込んでいく。
情報を絞り込んでいくあいだにも、
テロは繰り返される。
もう、何を見てても爆発しそう。
自爆するほうの思考が、
完全に理解できる範囲を超えてる。
あの状況で、あの場所で、
アメリカ人の安全な場所なんて、
どこにもなかったんじゃないだろうか。
ゼロ・ダーク・サーティ。
午前0時30分に、最後の攻撃は決行された。
セットとは思えないリアルな襲撃。
すべてが上手くいってたわけじゃない、ヘリの墜落。
ドキュメンタリータッチのカメラワーク。
すべて再現映像のはずなのに、
本物だと錯覚してしまう。
CIAが全面協力してるらしいけど、
もしも創られたものだったら?と疑って、
ゾッとする。
だってね、
ビンラディン殺害のニュースが流れたときに感じた
たくさんの違和感が、
この作品を見たことで、スーッと消えちゃったんだもん。
最後のマヤの涙が、すべてを物語ってる。
勝者のない、虚無感。
ジェシカ・チャステイン、すばらしかった。
彼女にアカデミー主演女優賞あげたかった。
昨年は、ヘルプで助演にノミネートされてましたが、
あのときとは別人。
これこそが演ずるってことなんだと思う。
拷問シーンが問題になってますが、
それほどでもなかったよ。
そもそも、心理的に極限まで追いつめて、
ふっと安心させて油断させて、
話をさせるのが、CIAのやり方らしい。
最初から話してわかる相手じゃない。
暴力を肯定したくはないけどね。
体罰どうのって話とは、まったく別次元。
キャスリン・ビグロー監督、61歳だって!
才能ある美魔女だわ・・・
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