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遺体 明日への十日間

Itai

原作の「遺体―震災、津波の果てに―」を読んだのは、
ちょうど一年前。

震災から一年経ち、
振り返りとして選んだ一冊。

タイトルから、ある程度の覚悟はしていたけど、
予想以上の衝撃だった。

マスコミの記録映像には残らなかった部分、
残せなかった真実。


だから、
映画化を聞いて、

正直、なんで?と思った。

映画として、ものがたりとして描かれることに、
大きな違和感があったから。


でも、これは映画化して残すことに、
意味があったと思う。


余計な演出はなく、
感情を盛り上げる音楽もなく、

淡々と遺体安置所となった中学校で時間が流れる。


誰もが立ち尽くしたしまったあの体育館で、
感情をあらわにし、行動できた民生委員さん。

葬儀社に勤めていたという経験、
ご遺体たちが引き寄せたとしか思えない。


ここにあるのは死体じゃない。
「ご遺体」なんです。

そう言われて、
麻痺した心が戻ってくる。


2年経った時点での、
死者15881人、行方不明者2668人という数が、

大きなかたまりじゃなく、
ひとりひとりの死だと、ようやく理解する。

わかろうと思っても、実感できなかった、
ひとり、ひとり、ひとり、それぞれの死。


映画化の話があったときに、
原作者の石井さんは製作側に注文をつけたそうだ。

「直接ご本人たちに会って話を聞いてください」

監督も、俳優も、
釜石に足を運び、モデルとなった人々に話を聞き、

信頼関係を築いての撮影。

創りすぎずに、事実に基づいた脚本。

普通のドキュメンタリー番組だって、
もっと空気を創っちゃってるよ、って思わせるほど、

ほんとうに淡々と事実を追ってる。


公式サイトの著名人の感想で、
三谷幸喜が「これも映画のひとつの役割」と書いていた。

ほんとうにその通りだと思った。


製作はフジテレビ。
収益は被災地への寄付になるそうです。


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