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舟を編む

Funewoamu

言葉をつむぐ仕事をするようになって、
もう15年になるけれど、

そういえば、
自分専用の国語辞典を持ったことがない。

子どものころから、ずっと。


小学生になると、
国語の授業で国語辞典を使い始める。

みんなは、小学生の学習用に作られた
大きな国語辞典を持っていたけれど、

なぜかあたしは買ってもらえず、
母の古い国語辞典を使っていた。

使っていた、というか、使わされていた。

母はきっと、
辞典なんて、言葉が引ければどれも同じだと思って、

家にあった国語辞典を持たせたのだろう。

みんなの国語辞典は、
見やすいように大きな文字で、
イラストが入っていたりしてカラフルで

キラキラして見えた。

言葉を学ぶうえで、
あたしはみんなとその意味を共有できなかった。

もちろん辞書を引いて書かれている言葉の意味に、
大きな違いはないんだけど、

小さなニュアンスの違いが、壁になる。

あたしはみんなと違うんだ。
いっしょにはできないんだ。

そう思った、最初の出来事だったかも。


あのキラキラの国語辞典、
ちゃむさんには買ってあげたかったなー。


国語辞典のさみしい思い出は
そのぐらいにして、

「舟を編む」、辞書編纂の物語です。


言葉の大海原を
舟という辞書を使って渡る。

大渡海という名の辞書。

松本先生が語る、
「いまを生きている人たちのため」につくる辞書は、

なんて魅力的なんだろう。


そう、いま。

古い言葉に固執せず、
新しいもの、その時代に合ったもの、
時代によって変化したものを尊重するっていうのも素晴らしい。


老学者の松本先生だけじゃなく、
みっちゃん、まーくん、荒木さん、佐々木さん、

登場人物がみんな魅力的。


魅力のワケは、その想い。

辞書の編纂に限らず、
目的に向かって邁進する姿は魅力的だ。

そこに映っている人物は、
年老いていたり、暗かったり、軽かったりするけど、

みんなみんな、まぶしかった。

仕事をするって、ああいうことだ。

そう考えると、
あたしは何の仕事もしてこなかった。


トラさん、かわいい!
ネコ好きに悪い人はいないわよ、

ね、みっちゃん。


大人も子どもも、電子辞書の時代だし、
仕事するときもネットの辞書検索で事足りるけど、

自分の国語辞典、
やっぱり買ってみようかなー。


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