太陽の棘
沖縄の最終日に行った、県立博物館・美術館。
砦みたいな建物に圧倒される。
グスクをデザイン化したものなのかな?。
何年か前に行った座喜味城を思い出させる。
目的は、コレクションギャラリー。
「沖縄美術の流れ」というテーマで、
沖縄の芸術家の作品が歴史とともに展示されているというので。
きっかけは、この本。
お気に入り作家、原田マハさんの新刊「太陽の棘」。
沖縄の画家の話しらしい、ってぐらいの知識で、
旅行に持って行ったのだ。
舞台は、戦後すぐの沖縄だった。
アメリカ軍精神科医と、
ニシムイ美術村の画家との、友情物語。
表紙になっているのが、主人公の精神科医エド、こと、
スタンリー・スタインバーグ。
裏表紙は、ニシムイ美術村の画家タイラ、こと、
玉那覇正吉。
2枚の画は、どちらも玉那覇正吉の作品。
スタンリー・スタインバーグのコレクションで、
実際に数年前に沖縄で展示されたこともあるとか。
友情、っていうのとはまたちょっと違うかもしれない。
そんな簡単で暖かなものじゃない。
物語は、実話ベース。
戦地だった沖縄だけに、
すべてが失われた場所だけに、
文字を追うたび、
苦しくなるような映像が目に浮かぶ。
空から降り注ぐ棘みたいに、痛い。
戦後すぐの沖縄のこと、
ニシムイ美術村のこと、
駐留のアメリカ軍のこととかは、
興味のある人だけ、
個人的に調べていただくことにして、割愛。
画家、玉那覇正吉さん。
本を読んでから、
改めて表紙&裏表紙の画の迫力に圧倒された。
アメリカ軍相手に画を売ることで、戦後を生き延びて、
琉球大学の教授にもなったとか。
彫刻家としての活躍もあり、これも作品だった。
ひめゆりの塔。
2年前に行ったときの写真。
この部分、
ひめゆりの彫刻は、玉那覇さんの作品とか。
知らないあいだに、見てたんだ。
この人の、
実際の絵を見てみたいなー、って思って調べたら、
県立博物館・美術館のコレクション情報がヒットした。
6月には、マハさんが来てイベントもあったらしい。
興味のない、ちゃむさんとダンナには迷惑な美術館行きでしょうが、
いいじゃないのよ、たまには。
絵画のほか、彫刻を数点見ることができた。
本の表紙&裏表紙の作品は、アメリカに帰っちゃってて、
原寸大の写真が展示されていた。
この本のおかげで、ただのリゾート旅行が、
ちょっと特別なものになった。
やっぱり本は、旅に連れて行くべきアイテムだね。
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