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【映画】おみおくりの作法

Stilllife_2

シンプルに生きた人にも、
ゴージャスに生きた人にも、

最期のときはやってくる。
どんな人の人生にも、必ずゴールは訪れる。


ジョン・メイの人生は、シンプルだった。

仕事は、
身寄りなく亡くなった人の調査と葬儀の手配。

同じ仕事、同じ洋服、同じ食事。
繰り返される。

シンプルだからこそ、ていねいに。

そんな毎日が、
解雇によって終わることになって・・・


イギリスとイタリアの共同制作だそうで、
2013年のヴェネチア映画祭に出品、

数部門で受賞の実績ある作品らしいです。

日本では、今年1月にミニシアター系で公開され、
ちょっと遅れて、みなとみらいへやってきました。


みなとみらいのイオンシネマさんね、
ミニシアター系の作品を、ちょっと遅れて上映してくれるの。

けっこう好みの作品がきてて、うれしい。


おみおくり、ってタイトルから、
勝手に、おくりびとっぽいのかと思ってた。

そうやって比べちゃうと、
おくりびと、は、ずっとずっとしあわせな作品だった。


身寄りのない遺体。
孤独死です。死後数週間経って発見されたりして。

遺体が運ばれたあとの家を訪れて、
所持品のなかから、その人に関する情報を探し出す。

どんな宗教だったのか、どんな曲が好きだったか、
お気入りだったアクセサリー、口紅、
かわいがってた猫のことも。

そうして、葬儀をプロデュース。
参列するのは、彼ひとり。

スピーチ書いて、BGM考えて。
知らない誰かのための葬儀が行われる。


事務的に処理しなきゃいけない孤独死を、
ひとりひとり丁寧に行っていたわけです。

正しいことをしているように見えるけど、
やりすぎだ、非効率的だって非難されて、職を追われる。


解雇が決まって、最後の仕事が、
見ず知らずの隣人だった。

お向かいに住んでた人なんだけど、
何も知らなかった。

孤独死が、より現実味をおびる。

上司に反発しつつ、
最後の仕事に力を入れるジョン・メイ。


あきれた上司が言うのよ。

葬儀っていうのは、死者のためじゃなく、
生きてる家族や知人のためにやるものだ、って。

うん。
あたしもそう思う。

だから、彼が仕事の範囲をこえて、
きちんとみおくってあげたい、って思って行動するのは、

もしかしたら、自己満足かもしれない。

彼もそういう身の上だから、
そうやってみおくられたい、って願望の表れなのかも。


でも、きっと無駄じゃなかったよ、って、
2体が埋葬される、ラストシーンが教えてくれる。

見えないけれど、
感謝している魂が、きっとある、って。


ジョン・メイの人生が、正しかったのかどうか。
それがメインテーマじゃない。

正しい、正しくない、なんて、
神さまの決めること。

どんな人にも、最期のときは突然やってくる。

遅いとか、早いとか、どのタイミングとか、
そんなのはおかまいなし。

用意したって、その通りになんてならないし、
いやだ!って拒否することもできない。

特別なことじゃなくて、
あたりまえの、ふつうのこと。

そんなひとつの、
ケーススタディみたいな人生を見せてもらった。


ああ。。。重かった。

いい人って、たいへんだ。


うちは、長生きしたら孤独死確定なのよね。
早く逝ったもん勝ち、みたいな。

残されちゃったら、
荷物ぜーんぶ処分して、

スーツケース一個で、
山奥の老人ホームに入ろう、って、

もうずーっと前から考えてます。


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