その先
職員さんは、
あたしの病気のことは知らないし、
ペットたちは、
家族を愛してお空へ行くんだよ、
っていう意味で話をするんだろう。
それでも、
もちろん、
災いなんてもっていかないでいいから、
ずっとココにいて欲しかった。
でも、
結果的に、
やっぱり、
もっていってくれたのかもしれない。
今日はそう思った。
ありがとう、なんて言えない。
ごめん。
本当にごめん。
大きな検査をするたびに、
いっしょに結果を聞きに行ってくれるダンナは、
今日初めて、
病院で先生から、いい結果を聞いたそうだ。
そうだよねぇ。
ひどい結果ばっかりだったよねぇ。
もし今回、悪い結果だったら、
さすがにキツかった。
骨への転移は、
直接いのちに関わらないにしても、
他臓器への転移でステージ4になる。
がんのステージは0から4。
4は末期で、その先の生存率がグンと下がる。
骨への転移は治らないので、
どこまで共存できるかになるし、
そのうちほかの臓器にも転移する。
骨への転移を疑って検査をして、
もしかして、と思うと、
その先のことを、
本気で考えなくちゃ、という気になる。
考えなきゃいけない事柄のほとんどは、
自分以外のことだ。
がんという病気は、
生死感を変える。
社会に貢献するでもなく、
目的なく長生きしてる人に、
嫌悪感さえ覚える。
いい結果を聞いて、
よかったね、とか言って、
よかったね、で、
これですべてが終わりだったらいいのに、
って思った。
残念ながら終わりはない。
いつまでも、
再発と転移の心配をし続けなきゃいけない。
これからもこんな心配を繰り返す。
そもそも、
今回の結果がよかったからといって、
いま抱えてる不調は、なにひとつ変わらない。
終わりのないことは、
何よりイヤなのに。
そんなことばかりに囲まれる。
だから今日のよかったは、
残念ながら一瞬だけのもので、
しゅわしゅわと泡みたいに消えていった。
消えかかった泡をかきわけて、
現実を拾い上げて、
いろんな、その先を考える。
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