夕さんぽ

夕陽で空が光っていたので、
森林公園へ行ってみる気になった。

休みでちゃむさんが家にいると、
一緒に引きこもることになる。

旅行にでも出なければ、

小さい頃のように、
ちょっとそこまでとか、
気軽には出かけられない。

気が滅入る。
いつものことだけど。

予定のない年末年始の休みは長いし、
爆発する前にガス抜きしないと耐えられない。

夕方、ダンナが家にいそうなタイミングで、
思い切って外へ出た。

どこを歩こうか迷って、
とりあえず歩き始めたら、

遠くの空が燃えだした。

森林公園のほうだった。

森林公園へは、春から行ってない。

トーマスがいないからだ。

トーマスなしの森林公園のさんぽなんて、
耐えられない。

でも、

ずっと足を踏み入れずにいると、
それを考えるたびにトーマスが顔を出す。

いい機会だと言い聞かせて歩き出す。

こっちを何度も振り返りながら、
先を歩いてた木々の道。

見上げて歩くけど、こぼれてくる。

暗くなり始めた広場に、
夕さんぽのイヌがたくさんいる。

ボール投げしてもらってるコとか、
吠えちゃってるコとか。

トーマスはもうここにはいないけれど、

きっと、
其処此処にいるんだ。

一緒に帰ろう。