ひと息、で
一年ごとの検査は、
血液検査→マンモグラフィ→エコー。
憂鬱だったマンモは、
やっぱり痛かった。
検査技師さんがやさしいので、
どうしても痛かったら言ってくださいね、
って言ってくださるのだが、
痛い、って言えないほど痛い。
息ができない。
翌日になっても、まだ痛い。
エコーでは検査ベッドの上で、
がんが見つかった時のことを思い出していた。
乳がんは、健康診断のエコーで見つかった。
カーテンで隔てた隣のベッドが、
何人も入れ替わるのに、あたしはずっと終わらず、
同じところに何度も繰り返しエコーをあてられていた。
それから、何度やっても、
エコーのヘッドが同じ場所を行き来するたび、
もしかして?と思う。
診察は、
4月だからまた新顔の先生かな、と思ってたら、
執刀してもらった部長先生だった。
結果を聞いて、
はい、よかったです、ぐらいしか話してない。
せっかく部長先生だったのに、
何か聞いておくことはなかったのかと思う。
もったいないことをした。
そのあと、会計を待つ間に、
パンケーキを食べながら昨日の投稿をして、
ホッとひと息、と書いた。
ひと息、だ。
ひと安心、じゃない。
そう思いながら、
ブログを書いてたのに、
そのあとそごうへ買い物に行って、
エスカレーターに乗りながら、
怖、と思った。
ひと息、って書きながら、
ひと安心じゃない、って思いながら、
なんだか、
安心しちゃってる自分がいた。
検査の結果がよかったからって、
何かが解決したワケじゃない。
現状維持だ。
そういう油断で、
そういう気の緩みで、
散々痛い目にあってるのにねー。
3年も経つと、
いろいろ感覚が麻痺してくる。
忘れる、というよりも、
慣れ、だな。
慣れていいことと、
悪いことがあるし、
慣れがいい方に向かったことがないのに。
だから、
ひと息、で。
自分に言い聞かせる。
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