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よなちゃん

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よなちゃんはね、
まだ会社員だったころに出会ったの。

バスを降りて社宅まで、
階段の道があって、

その踊り場のすみっこに、
段ボールが置かれていたの。


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ねこがはいっています

って、段ボールには書いてあったの。

すごく気になったけど、
もう夜も遅くて、

もしかして
死んじゃってたらどうしようとか思って、

一旦は通り過ぎて、
社宅まで帰ったんだけど、

やっぱり気になって、戻ってみた。

ちょっと動かしたら、がさごそ動いたから、
そのまま段ボールを抱えて帰った。


段ボールには、

涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔をした、
白黒の子猫が入っていた。

捨てた人が入れたらしい、
おばさんっぽいブラウスといっしょに。


獣医さんに連れていったら、
男の子ですね、って言うから、

ジョナサンのラテン語読みで、
ヨナタンって名前を付けた。

ヨナタンは、
神さまに与えられたもの、
っていう意味がある。


推定の週数を聞いて、
お誕生日は十一月十五日にした。


獣医さんに通ううちに、
やっぱり女の子でした、って言われて、

えー、ってなって、
よなちゃん、って呼ぶようになった。


よなちゃん。
よなちゃんは、よなちゃんっぽかった。


あたしと暮らしたのは、
一年足らずだった。


妊婦になって、
すぐに切迫流産で自宅安静になって、
いつもいっしょにゴロゴロしててくれた。

それから前期破水で入院になっちゃって、
生まれたちゃむさんは早期産で低体重で、
ハイリスクだったので、

よなちゃんは、実家の子になった。


あれから十九年。

よなちゃんは、二十年と八ヶ月生きた。

よなちゃん。
よなちゃん。

大好きだよ。


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