なんで僕に聞くんだろう。
これ、発売されてすぐに、
紀伊國屋でサイン本を見かけて、
買っちゃおうかものすごく迷った。
でも、PARCOの写真展で買えば、
特典の冊子がもらえて、
さらにもしかしたら、
幡野さんが在廊してて、
サインしてもらえるかもしれない、って
身勝手な期待をして、我慢したのだった。
まぁ、もしもサインしてもらえなくても、
自分にはよくある不運だから、仕方ない。
そのときには、サインはあきらめても、
特典付きの著書は買える。
そして写真展で運良くお会いできて、
サインしていただいたのだった。
さらにこの写真展では、
糸井さんと幡野さんの、
トークライブチケットの争奪戦に勝利したのだった。
運良く。
ほんと運が良かった。めずらしい。
この本は、ネットの連載をまとめたもので、
連載でほとんど読んでいる。
ああ、そうだった、って、
復讐、じゃなくて、復習、
してるみたいな感覚で読み返した。
ほんとにタイトルそのままで、
なんでこんなことを幡野さんに相談してるんだろう、
って内容ばかり。
幡野さんは、カウンセラーじゃない。
写真家で、元狩猟家で、
余命宣告されてるがん患者。
トークライブで幡野さんは、
彼らは会話泥棒なのだ、と言っていた。
幡野さんがおかれている状況へ、
マウンティングしつつ、
あたしはもっとたいへんなのよ、
波瀾万丈なのよ、ねぇ聞いてよ、
って、自分の話しへ持って行く、みたいな。
あああ、いるよ。こういう人。
すぐに自分の話しにすり替える人。
聞いてないの、興味ないの、
相手の話しなんて。
自分のこと、話したいだけなの。
相談の問題の根本は、
多くが親子関係らしい。
親の問題行動に振りまわされて育って、
大人になってもそれを抱えて生きてる。
古傷は、いつまでも繰り返し痛むものだ。
傷つけたほうは覚えてなくても、
つけられた傷は一生消えない。
親になってみて初めてわかる、
親のやばさ、ってある。
そのへんの公園とか公共の場で、
子どもを叱ってる親のやばさも見える。
子どもの接し方なんて、
誰も教えてくれないからなー。
早くしなさい!とか、
ダメって言ったでしょ!とか、
なんでこんなことできないの!とか、
NGワードをひたすら子どもにあびせたり。
よくある親の態度とか、考え方も、
それってダメだよね、って幡野さんは書いてる。
ある意味、育児バイブル。
親のやばさ、って、
似たようなことを感じたことがあったなー、って
思い出したのが、教員のやばさ、だった。
先生になりたい、という人は、
その重大性をわかっているのか?って、
二十歳くらいのときに、
教員志望の人に詰め寄ったことがあった。
どちらも、子どもに大きな影響を与える、
オトナ、ってことか。
オトナ、責任重大なんですよ。
幡野さんの主張は一環してて、
自分の人生を生きろ、だ。
日本人特有のしがらみとか、建前とかを、
バリバリ引きはがす。
引きはがす、っていうか、蹴散らして、
本質を明らかにしていく。
頭の古い人からは、
そんなこと言うもんじゃない、って
ムダな小言もらっちゃいそうな、正論。
正論なんだよね。
真っ正面からの正論。
だから爽快。
だから人気なのかな。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 読み終えた瞬間、空が美しく見える気象のはなし(2024.08.26)
- 八月の御所グラウンドと五山送り火(2024.08.16)
- 憲法を読み直す(2024.06.23)
- 山と渓谷5月号 上高地(2024.05.01)
- リカバリー・カバヒコ(2024.03.26)