彼岸花

あれ、
こんなところに、

彼岸花が植わってたんだ。

という発見が、
今日はあちこちであった。

茎だけをひょろっと伸ばして、
そのうえにつぼみをつけるから、

花がひらいてやっと存在感を見せて、
またすぐに沈黙する。

あとから葉が茂ったときには、
もう何の植物だったか忘れている。

日本古来の花だと思っていたら、
中国からの帰化植物だった。

彼岸花、とか、曼珠沙華、とか、
仏教思想的な名前がついているから、

仏教と共に持ち込まれたのかもしれない。

子どものころ、
「毒があるから近づいたらいけない」
って言われたことがあって、

なんとなく怖いイメージの花だった。

調べてみると、
いろんな別名があって、

幽霊花とか、
墓花とか、
死人花とか、
地獄花とか・・・

ちょっと例えが酷すぎませんか？

学名は、
ギリシャ神話の女神の名前がついているから、

先入観以外の何ものでもない。

ついてしまったイメージを払拭するのは、
容易でない。

せめて、
きれいだね、すてきだよ、って思いながら、

写真を撮ってあげよう。