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ももさんと7人のパパゲーノ

Momosan

8月に放映されて、
なかなかよかったドラマ。

今日、再放送がありました。
しばらくNHKプラスで見られるかも。


主人公は、ももさん。

死にたいと思ったけど、
自分よりもっと大変な人もいるし、
きっとそんなこと思っちゃいけないから、

自傷行為に。

SNSで呼びかけて、野宿しながら、
同じような心情の人に会いにいく物語。


これ、一見ロードムービーなんだけど、

ドラマは、
パパゲーノ効果を狙ったものです。

テレビやラジオやネットやマスコミが、
死にたい人の成功体験を放映することで、

思いとどまらせる、というか、
このままでいいのだと、気づかせる。

これを狙って、NHKが以前から、
「わたしはパパゲーノ」という企画をやってます。

パパゲーノは、
モーツァルトのオペラ「魔笛」の登場人物で、
物語のなかで、自殺しようとする人。


反対に、
ウェルテル効果というのもあって、

自死した芸能人などの報道によって、
情報過多となり、

影響されて、自殺者が増えること。
これ、多いですよね。

ウェルテルは、
ゲーテの「若きウェルテルの悩み」から。


死にたい、という気持ちを否定しない。

そんなこと言うもんじゃない、
って諭すのが、いちばんダメで、

なんの解決にもならない。
マウントとって、突き放してるだけ。

必要なのは、共感と見守りと寄り添い。


死にたい、という気持ちはデフォルト。

死にたい、って思ってる人は、
一定数、常にいる。

そんな特別なことじゃないのかも。

この、特別なことじゃない、
っていうのを理解する、っていうか、

自分のなかに落とし込むのが重要な気がする。


死にたいは、繰り返しやってくる。

行動するかしないかは、
薄氷のうえを歩いてるようなものかも。

薄氷の湖のうえ、
いま立っている場所は、たまたま割れなかっただけ。

そのうち、
氷の見極め方がわかってくる。


そうやって、
死にたい、という気持ちを抱えて生きていく。

そういう人、たくさんいるんです。


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