夕焼けに

出かけてたダンナから、
夕焼け、ってメッセージが入って、

家のなかからは空が見えないので、
わざわざ見えるところまで行ってみた。

ちゃむさんは、
３泊４日で短期入所なので帰ってこない。

11月のつもりで申し込んでいた短期入所が、
10月31日からでー、と連絡があって、

お誕生日に短期入所なんてー、
って思ったんだけど、

この先、
自立させなきゃいけないことを考えたら、

こうやってきちんとひとりになっていくのも、
必要な経験なんじゃないかと思った。

そんなこんなで、
ちゃむさんが23歳になった。

23歳ですよ。

わたくし、
23歳で結婚してますから。

結婚って、
完全な自立なわけだから。

ほんとにもう、
そんな年齢なのだと実感させられた。

夕焼けを見ながら、
23年前のあの日のことを思い返した。

なにしろ、しんどい妊娠・出産だったので、
もう遠い遠い昔のことのはずなのに、
思い出すと本当につらい。

あの日の不安とか、心細さとか、痛みとか、
フラッシュバックしてくる。

なんでこんなことになってるんだ、って思いながら、
夜中にひとりで陣痛やり過ごしてて、

急にスーッと気が遠くなって、
ナースが飛んできて、

「先生呼んでー！！」ってあわてた声とか、
鮮明によみがえって、また苦しくなったりして。

少子化対策とか、
子どもを増やそうとか、

ほっとけよ、と思う。

政策でお金もらったからって、
妊娠出産にどれだけリスクあると思ってんだ。

23年経っても、いまだにしんどいのに。
女の一生がかかってるのに。

そういえば、妊娠した時に、
結婚したら子どもを産むのは義務、
って言った人がいたんですよ。

あれ、呪いだったのかな。

なんてことを思い出した、
夕焼けに。