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三千円の使いかた

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昨年のベストセラー。

気になってたけど、読まずにいて、
今月からドラマが始まったのを見てみたら、

え?って内容だったので、
読んでみた。


お金にまつわる、
ある家族とその周辺の短編集。

ドラマと原作は、
いろいろと設定が違ってました。

タイトルの三千円は、
そんなにストーリー全体に及ぶ金額ではなかった。

三千円にまつわる、
幾つかの物語かと思っちゃった。


お金、金銭感覚って、
100人いれば100通りだから、

なんでも高い、高いって、
金額で見ちゃう人にはうんざりするし、

だからって、
なんでも高いものばかり、
当たり前のように選ぶ人にはついていけないし、

すり合わせがむずかしい。


そういえば今まで、
お金の使い方を教えてくれる人なんていなかった。

FPの資格取得が流行ってるのって、
やっぱりそれだけニーズがあるのでしょう。


節約、節約、って言われると、
何をするのもムダな気がして、

生きるための気晴らしも、
全部我慢しなきゃいけない気がして、

やっていいよ、って言われても、
ほんとはそう思ってないよね?って疑ったりして、

っていうか、なんでそもそも許可制?
なんて憤ったりして。


幸せって、なんだろうね、
なんて行き止まりにぶち当たったりしますね。


この小説のなかで、
いちばん印象に残ったのは、

実はお金の話ではなかった。

妻が、
子宮体がんになって入院、手術するんだけど、

退院の日に、
夫は迎えにも来てくれなくて、
さらに夫は自分の夕食の心配をする、ってくだり。

作らなくていいよ、っていうけど、
もちろん夫が作ってくれるわけじゃなく、

用意することを無意識のうちに強いて、
結局、妻は自分で料理する、って内容で。

同病ですから。
感情移入しすぎて。

ありえないよ。
開腹手術してるのに。
立ってるのもつらいのに。

男とはそういうものだ、的な、
感覚を許してきちゃった女が許せない。


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