海をあげる
「海をあげる」は、
本屋大賞のノンフィクション部門を受賞している。
タイトルが気になって、
たしか本屋でパラパラみて、
あー、これはしんどいやつだわ、
って、読むのをやめていた本だった。
で、これも出会いだと思って、
Kindleでさっくり読んだ。
上間さん、生まれ年が一年違いなんだけど、
まだ幼い娘さんがいるらしい。
「海をあげる」は、
沖縄で暮らす、母と子のエッセイだった。
ただ、
その沖縄は、
観光客が見る、
海きれいねー、なんて視点ではなく、
普天間の騒音と、
基地による水質汚染と、
辺野古の埋め立てと、
反対派の座り込み。
戦後の沖縄の影響をいまだに引きずる、
10代の女性の妊娠出産問題に力を入れていて、
行政が動くのを待っていられないからと、
若い妊婦さんを支援する施設を運営しているそうだ。
ひたすらに、
負の連鎖のなかにいて、
離れても、
また自ら飛び込んでいく。
すごいねー、
えらいねー、
大変だねー、
なんて感想よりも、
登場する人すべての、
痛みが際立つ。
沖縄、
楽しんじゃいけないんだな。
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