「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」を読んだ
家族は、
若くして亡くなった父親、
過労からの病気で車椅子生活になった母親、
ダウン症候群の弟、
認知症の祖母、
分離不安の犬、
そして彼女。
なかなかすごい。
ストーリーを膨らますために、
次々と設定を増やしちゃった小説みたいだ。
けど、
我が身を見れば、
我が家もみんな傷だらけだった。
多かれ少なかれ、
大変な状況に置かれてる家族はあって、
病気だけならともかく、
障害者がいればなおさらだ。
言い方が悪いけど、
それをどう活用するかは、
その人次第だったりもする。
世の中に、
「がんになった」本が溢れているように、
がんになった、ってだけでも、書いてお金にして、
自分に還元しちゃう人もいるわけだ。
そうするだけの筆力が欲しかったわ。
あっという間に、
彼女のエッセイは何冊も出版され、
早くも文庫化もされ、
おまけにNHKでドラマにもなるという。
それならば、
一度、ちゃんと読んでおこうとポチった。
読まず嫌いはよくない。
なかなか面白かったし、
応援したくなった。
何か、
魔術的なものを使っているのかもしれない。
それもひっくるめて、
才能、というのだろう。
タイトルは、
NASAの家族の基準、からの考察だ。
その話しは、
写真家の幡野広志さんの著書で読んだ。
自分で選べない、
親、兄弟姉妹、親戚よりも、
婚姻によって自分で選んで作りあげた家族の方が、
つながりが深く濃く、意味のある身内だ、
と、家族を定義する。
それでも彼女は、
家族だから愛したんじゃなく、
愛したのが家族だった、と言う。
親想い、弟想いの、
美しい話にしていいんだろうか。
母親の目線で見たら、
ちょっと待てよ、と思った。
逃げられなくて可哀想だな、って、
ちょっと思っちゃったんだよね。
解放してあげたい、って、
ちょっと思っちゃったんだよね。
親になってみて、子の親への、愛、は、
恩とか情で擬態した、しがらみ、だって気づいた。
子は親に孝行するべきだ、なんて、
親が希望するのは、思いあがりも甚だしい。
子どもに何かしてもらいたいと思う?
思わないよねぇ。
親のことなんて考えずに、
ひたすらに自分の人生を生きてほしいよ。
親の助けにならなくていいし、
いつまでも親は、子の助けでいるべき。
いや、うちはそうならざるをえないけど、
それは置いといて。
親は、子に、
愛を強制しないように気をつけなきゃいけない。
強制されてないよ、って子は言っても、
無意識下で自分を削ってるかもしれない。
それでも彼女はきっと、今の状況を、
自分が望んでそうしてるんだ、って言うんだろうな。
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