いちごホイップ
きっと、
しあわせな子どもが、
しわあせな母親に渡すのでしょう。
ふつうの子どもも、
ふつうの母親に渡すのかもしれない。
そのなかにいくつか、
リボンの付かない、ふつうの鉢の、
小さな花苗のカーネーションもあった。
これは、
プレゼントではなく、ご自宅用。
ご自宅用なら、
自分で買っても大丈夫よね。
お母さんありがとう、って、
連呼する世の中が怖い。
ごめんなさい、ごめんなさい、って、
泣きじゃくりながら謝る小さな子どもみたいに、
行き場のない、切ない気持ちになる。
謝る相手は、
もうすっかり大人なっている。
母らしいことなんて、
何もしてこなかった。
子どもの人生を豊かにできるのも、
めちゃくちゃにできるのも、母親次第。
あたしには、あきらかに荷が重かった。
母の日、キツイわ。
責められてるみたいで。
責められても仕方ないんだけどさ。
母親のかたちをした、
泣きじゃくる子どもに、
いちごホイップという名の、
カーネーションを買ってあげたんだけど、
母親のかたちをした子どもは、
ぜんぜんよろこんでくれなかった。
いちごホイップに罪はないんだけどさ。
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