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おいとし

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この本が出版されたのは2022年2月10日。
その翌日、2月11日に読了した記録があった。

あれから2年と少し経っていた。


高齢者のひとり暮らし。

パソコンやスマホを使いこなして、
社会にきちんと追いつき、

住まいや持ち物など、
身の回りをコンパクトにして、

健康を意識しつつ動いて、
日々を楽しんで、

つつましく、
身の程に整えられた生き方に感心した。

その大崎博子さんが亡くなった。
91歳だった。


海外にお住まいの娘さんが、
大崎さんのアカウントから訃報を投稿した。

ほんの数日前に、
ご本人が夕食の写真をツイートされていたので、

その翌日か、翌々日か、
急に亡くなられたようだった。

どういう最期だったのかはわからない。

最後のツイートは、
「おやすみなさいませ」だった。


驚きとともに、あっぱれ。


ほぼ日が、
老いと死についての特集「おいとし」をしてて、

訃報を目にしたのは、
ちょうどこれを読んでいるときだった。

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https://www.1101.com/n/s/nishi_hatano

どういう最期になるか、
ほとんどの人は選べない。

死を忌み嫌う厄介な国民性から、
核心に触れずに老いてしまう。

その時どうしたいか、
意思を伝えられないままに、

残される者の判断で、
不本意な最期になるかもしれない。


本人の意思とか、家族の判断の前に、
現実がどんどん進んでいっちゃうこともある。

現実は選べない。
神さまの決めること。


それを決定づけるのは、
所詮「運」だから、

運を上げていきましょう、
というまとめになってて、

病者と医療者とのトークなのに、
そんないい加減なことでいいの?

って思ったんだけど、

大崎さんのことを思うと、
やっぱり運なのかも、って、ちょっと納得。


大崎さんは、
きっと、運を掴んでいた。


大崎さんの葬儀の写真を、
お孫さんのツイートで拝見した。

あの場所はきっと、
イグナチオ教会のマリア聖堂。

ご自身で用意していた遺影が、
たくさんのお花に囲まれていた。

安らかに。


毎日新聞のWebに訃報の記事がありました。

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https://mainichi.jp/articles/20240805/k00/00m/040/072000c


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