道程
たくさんの人が、
急ぎあしで追い越していった。
花が咲いているのに、
鳥が鳴いているのに、
急ぎあしの人は、
きっと気がつかない。
もったいないなー、と思う。
でも。
急ぎ足の人にとっては、
この道を急いで歩くことに意味がある。
自分で決めて、
急いで歩いているのだ。
誰かに急げと言われているわけでも、
ないのだろう。
花を見たいと思っているわけでも、
鳥の声を聞きたいと思っているわけでも、
ないのだろう。
この道をただ歩くことが、
急ぎあしの人が求めることなのだ。
急ぎあしの人を、
責める必要などない。
ゆっくり歩いていることを、
責められる必要もない。
早くしなさい、
急ぎなさい、って、
追い立てられることもない。
放っておくから、
放っといてくれ。
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