青い家にきた人
ボロボロの家に、
ハルおばさんが引っ越してくる。
もともとこの家に住んでいたといい、
白鳥を連れていた。
おばさんは、魔法使いだと言う。
白鳥は、おばさんの娘だと言う。
ふむふむ、と読み始めて、
ここから身動きできない気持ちになった。
ーーーーー
おばさんのひとり娘は、五つになっても歩けませんでした。おしゃべりすることもできなければ、うたうこともできなかったのです。
歩くことも話すこともできない女の子は、一日、青い家にとじこもっていました。ハルおばさんは、娘をおんぶして、お医者さんをたずね歩いたものです。 「お気の毒ですが、この子は一生、歩くことはできないでしょう。からだだけは、おとなになっても、心は子どものままです。ことばをおぼえることも、数をかぞえることも、できないでしょう」 お医者さんたちは、そういいました。
立原えりか. 蝶を編む人 (講談社文庫) (p. 10)
「う、う」とか、「わ、あ」とかしかいえない、ほんの数メートル歩けば、ことりとたおれてしまう娘を、人々は、ふしぎそうに見つめました。
「娘のために、わたしは魔法を習ったの。歩けない、話せない娘を、白鳥にしてやろうと思って」
魔法は、娘の手を白い大きなつばさにかえました。からだを鳥にかえました。 白鳥になった娘は、生まれてはじめて旅をしました。大空から大空へ、雪国から氷の山へ、ゆったりととびうつっては帰ってきました。
立原えりか. 蝶を編む人 (講談社文庫) (p. 11)
ーーーーー
やがて、白鳥になった娘は、
オスの白鳥と恋をして、
双子を産む。
白鳥と元人間の白鳥の子どもたちは、
白鳥ではなく、
肩にまっ白いつばさがはえてる、
男の子と女の子だった。
私も魔法使いになればよかったのかな。
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