« ブドウを食べたのは | トップページ | アメリカ産米カルローズ »

青い家にきた人

Img_9264_20250826135401

童話作家の立原えりかさんが亡くなった。

何度か応募した文学賞の審査員だったから、
名前はよく知っているけれど、

見たことがあるのは代表作のタイトルくらいで、
どんな作品を書いていたのかあまり知らなくて、

Kindleにあった、
気になった「蝶を編む人」を読み始めた。

大人っぽい、ファンタジーだった。

青い家にきた人は、この本の最初の物語だ。


ボロボロの家に、
ハルおばさんが引っ越してくる。

もともとこの家に住んでいたといい、
白鳥を連れていた。

おばさんは、魔法使いだと言う。

白鳥は、おばさんの娘だと言う。


ふむふむ、と読み始めて、
ここから身動きできない気持ちになった。


ーーーーー

おばさんのひとり娘は、五つになっても歩けませんでした。おしゃべりすることもできなければ、うたうこともできなかったのです。

歩くことも話すこともできない女の子は、一日、青い家にとじこもっていました。ハルおばさんは、娘をおんぶして、お医者さんをたずね歩いたものです。 「お気の毒ですが、この子は一生、歩くことはできないでしょう。からだだけは、おとなになっても、心は子どものままです。ことばをおぼえることも、数をかぞえることも、できないでしょう」  お医者さんたちは、そういいました。

立原えりか. 蝶を編む人 (講談社文庫) (p. 10)


「う、う」とか、「わ、あ」とかしかいえない、ほんの数メートル歩けば、ことりとたおれてしまう娘を、人々は、ふしぎそうに見つめました。

「娘のために、わたしは魔法を習ったの。歩けない、話せない娘を、白鳥にしてやろうと思って」

魔法は、娘の手を白い大きなつばさにかえました。からだを鳥にかえました。 白鳥になった娘は、生まれてはじめて旅をしました。大空から大空へ、雪国から氷の山へ、ゆったりととびうつっては帰ってきました。

立原えりか. 蝶を編む人 (講談社文庫) (p. 11)

ーーーーー


やがて、白鳥になった娘は、
オスの白鳥と恋をして、
双子を産む。

白鳥と元人間の白鳥の子どもたちは、
白鳥ではなく、

肩にまっ白いつばさがはえてる、
男の子と女の子だった。


私も魔法使いになればよかったのかな。


|

« ブドウを食べたのは | トップページ | アメリカ産米カルローズ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事