兄の終い
村井さんのTwitterをフォローしてるし、
ネットの連載を読んだりもしてるので、
犬との生活のこととか、
やっかいな義両親の介護のこととか、
親戚かよ、ってくらいに存じ上げてるが、
「兄の終い」は読んでいなかった。
誰にでもやってくる終い。
なんだかいろいろ考えさせられた。
ざっくりあらすじを書くと、
お金の無心をするような、
困ったちゃんのお兄さんが、
離婚して息子とふたり遠く離れた地で暮らしてて、
病気したりして生活保護も受けてる状況で、
やっと仕事が決まって、
これから、っていうところで家で突然死。
唯一の肉親である村井さんに連絡があって、
離婚しているお兄さんの元妻と一緒に、
死んだ人の後片付けをする実話。
映画は、
この原作6割くらいでできてるそうだ。
もちろん、
書かれていることがすべてではないだろうけど、
最悪ではなかったな、
と思う点がいくつかあった。
・お兄さんはあちこちにつながってたこと
村井さんや親戚とメールしてた
生活保護申請で行政に相談していた
仕事も探して採用されてた
息子くんのことも相談してた
・息子くんを取り巻く環境が良かったこと
学校が協力してくれた
児童相談所が動いてくれた
短期間の里親さんといい感じで暮らせてた
・元妻が協力的だったこと
別れたらもう他人ってならなかった
片付けまで手伝ってくれた
息子くんもすぐに引き取れた
お兄さんは息子と一緒に暮らしていたから、
孤独死ではない。
家での突然死は、
独居で何日も発見されないケースも多いし。
でも小学生だし、
よく対応できたなーと思う。
家の中は相当荒れた状態だったようだ。
親子で支え合って生きていたのか、
だからしっかりせざるをえなかったのか。
お兄さんがあちこちにメールしてたのも、
厄介者として拒否されていたとしても、
拒否もコミュニケーションのひとつになって、
縁はつながり、疎遠にはなっていなかった。
生活保護とか仕事探しとか、
生活を立て直そうと努力してたし、
なにより絶望はしていなかったのではないか。
きっとそれは息子くんがいたからだろうけど。
息子くんの学校も担任もいい人だった。
お別れもちゃんと対応してくれて、
ペットの亀と魚も預かってた。
家での厄介ごとを学校に持ち込むな、
とか言われそうなのに。
元妻がとても偉かった。
離婚してるわけだから、
もう関わりたくないって思うかもしれないのに。
元夫を家族として見送って、
生きていた証を全部片付けて、
離れて暮らしていた息子を受け入れて。
子供を引き取るって、
愛情だけじゃ問題が片付かないことでしょ。
お兄さんが困窮してたことで、
資産などの手続きが最小限だったのも、
数日ですべてが片付いた、
利点といえば利点。
お金、動産、不動産、保険、
あれこれの契約を一つ一つ解いていくのは、
相当厄介で、難解で、通常は数ヶ月はかかる。
すべて自分でクリアして死ねればいいけど、
そうはいかない。
どんな最期も神様が書いたシナリオだ。
でもねぇ、
誰かの終いをさせられるくらいなら、
先に死にたいよ、って日頃から思ってる。
先に死んだもん勝ち、くらいに。
生きるって、面倒が多すぎる。
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