はじめに

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ちゃむは、1999年10月31日生まれの男の子。

1歳7ヶ月のときに急性脳症にかかり、
後遺症で、重度重複障害があります。

ちゃむについて詳しくは、こちらをどうぞ。


病気になったのは、この家を建てて、引越ししてから、
2ヶ月半ほどたったときでした。

元気な家族が住む、を前提に設計された家です。

立てない、歩けない子どもと生活するには、
不便なことが、たくさんあります。

障害を負ってから、4年が経過。

生活空間をもっと快適にするために、
介護者も本人も、安全に暮らすために、
リフォームの検討をはじめました。

どんな風にできあがるか、お楽しみに!



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現状

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建築中だったころの写真です。古い・・・
外壁を塗り替えたので、今はぜんぜん違う家です(汗)


この家の間取りは、

1階>>玄関、リビング(12)、ダイニング(7.5)、キッチン(4.5)、トイレ
2階>>お風呂、寝室(7.5)、仕事部屋(6)、子ども部屋(6)、トイレ

いちばんの問題点は、お風呂が2階にあることなのです。

1階は、ほとんどLDKのみ、なので、
1階だけで生活することは、不可能です。

抱っこで階段を登らなければ、寝室へもいけません。


また、玄関先に3段の階段、
ほかの入り口となるウッドデッキも、3段の階段があります。

外へ出るにも、段差があり、
車に乗せるにも、抱っこの必要があります。


子どもだから、抱っこでどうにかなっていたのですが、
障害があっても、未熟児だったわりに体の成長は順調で、
身長体重ともに、標準よりも少し大きめに育っているので、
かなり無理がでてきました。




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どこに相談するか

まず、区役所の福祉課に相談に行きました。
地域担当のケースワーカーの方に、家庭訪問していただき、
家の現状、問題点、どうしたいか、を話し合いました。

そして、横浜市総合リハビリセンターから、
建築士さんと訓練士さんにも来ていただき、
子どもの障害状況や、どんな装置が使えるかを、検討しました。

費用面は、
住環境整備費の助成が対象になります。

が、所得額制限があり、全額負担、ということが判明!

でもまぁ、仕方がありません。
必要なのですから、
リフォームの検討を取りやめるわけにはいきません。


・・・と、ちょっと金額面はあきらめていたのですが、

プラン変更して、年度がかわってから再度申請したところ、
一部助成していただけることになりました!

ということは、いまのうちにPlan and Goです!



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ホームエレベーター

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まず考えたのが、
ホームエレベーターの設置です。

ダイニングに階段があり、2階まで吹き抜けになっているので、
その部分を壊して、エレベーターと新しい階段をつけられないか、
ということで、検討を開始しました。

条件にあうエレベーターメーカーは1社。
三友エレベーターへ、座位保持装置持込みで見学にいき、
試乗もしました。

すっかり、これで決まり!! という気分になっていたのですが、

実際に工事業者に来てもらって、検討したところ、
梁と柱の位置が問題になり、
吹き抜け部分への設置が難しい、という結果に・・・

リビングの一角への設置も検討したのですが、
やはりメインの生活空間であるリビングが、
狭くなってしまうことに抵抗があり、

ホームエレベーター案は、水の泡と消えたのでした。


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階段昇降機

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ホームエレベーターをあきらめて、
検討したのが、階段昇降機です。

階段幅は、じゅうぶんなので、設置は可能ですが、
座位能力が不足しています。

でも、少し前にくらべれば、お座りが上達してきています。

もしかしたら、座らせる方法があるかも? という希望をもとに、
リハビリセンターでデモ機に乗せていただきました。

結果、
段差解消機そのものを改造することはできないのですが、
座面、背面、ベルトを工夫すれば、使えそう! ということになりました。



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トータルで考える

どうやって2階にのぼるのか。

そればっかり考えていました。
でも、それだけでは解決しないことに気づきました。

階段昇降機に乗せるにも、
座位保持装置に座らせるにも、
かならず抱っこしなければならないのです。

それには、必ず<抱っこできない体重>という、
限界がやってきます。

そこで、生活面をトータルで考えた、
リフォーム案にひろげていくことにしました。


<段差解消機>
 外との出入りは、リビングの窓から。
 ウッドデッキを一部カットして段差解消機を設置し、
 床面まで車イスごと持ち上げる。

<天井走行リフト>
 車イスで部屋に入ったら、リフトで吊って、
 生活のメイン空間である、床のゴロゴロエリアへ。
 車イス、座位保持装置、階段昇降機へ座る際にも、
 リフトを使用できるように、リビング全体を移動できるタイプにする。

<階段昇降機>
 1階、2階間の移動は、階段昇降機
 通常の椅子に座れないため、
 座面には、簡易的な座位保持装置を乗せる。

<バスチェア>
 階段昇降機で2階にあがったら、
 お風呂への移動は、車イスタイプのバスチェアを使用。
 リクライニングでき、お風呂内の吊り具にもなる。

<お風呂の段差>
 2階用のユニットバスを設置しているため、
 お風呂と脱衣所、脱衣所と廊下に、2段階の段差がある。
 床を壊し、配管などを切り回して、平らにする。

<お風呂用リフト>
 脱衣所、洗い場、湯船の移動は、
 お風呂用のリフトを使用。
 バスチェアを吊り具として、利用する。


と、こんなに改善案がでてきました。
ものすごい大工事になりそうです・・・

でも、どれも必要であることを実感です。
抱っこできなくなってからでは、遅いのです。



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天井走行リフト

抱き上げる、という動作の助けになるものが、リフト。
スリングという吊り具で人をつりあげて、移動させます。

リフトには、床走行式リスト、固定式リフト、据置式リフトなど、
いろいろなタイプのものがあります。

こちらに詳しい説明がありました。
リフト(テクノエイド協会)


床走行式リフトは、こんな感じ。
吊り具検討のときに、実物を持ってきていただきました。

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我が家で使うために、検討したのは、天井走行式リフトです。

通常、このタイプのリフトは、
レールを生活動線にあわせて、設置します。

ベッドサイドから、お風呂やトイレ、居間などへ、
天井にレールを設置して、吊り下げたまま、移動させるのです。

我が家の場合は、
まずリビング内だけの移動を考えました。

リビングは12畳。
生活のほとんどをここですごしています。

リビングで座位保持に乗せ、ダイニングへ移動して食事。
リビングで抱っこして、テラスから車へ。
階段昇降機がついたら、リビングで抱っこして、昇降機の椅子へ。

ゴロゴロ寝返りで移動してるので、
抱っこする位置は、一定の場所に決まっていません。


これらの動線の「抱っこ」を解消するために、
リビング全体を移動できる、二軸タイプのリフトを検討しました。
固定された2本のレール上を、もう一本のレールが動きます。

イメージとしては、こんな感じ。
明電興産のアーチパートナー隅っこ

ただ、これそのものを設置するには、リビングが12畳と広すぎ、
四隅に柱を立てるぶんの圧迫感があります。

そこで、天井に二軸を直接取り付けて、
リビング全体を移動できるものを、提案していただきました。


吊り上げるのには、こんな機械を使います。
竹虎ヒューマンケアの「かるがる」。

竹虎ヒューマンケアかるがる




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吊り具(スリングシート)

turi


リフトで使用する吊り具には、
シート型、セパレート型、脚分離型など、
いろいろな種類があります。

体の状態や、使用用途にあわせて検討します。

シート型、脚分離型には、
頭まですっぽり包まるハイバック、
肩あたりまでのローバックがありました。

こちらに詳しい説明を見つけましたので、参考にどうぞ~
吊り上げ式リフト用吊り具(テクノエイド協会)


うちの子の場合、
吊り下げているあいだ、起き上がろうとしてしまうので、
落ちないように、しっかりと包み込まれている必要がありました。

いろいろ試したところ、
脚分離型のハイバックが、いちばん安定感がありました。

 
 
 
生活で使うものとは別なのですが、
業者さんが興味深い資料を持ってきてくれました。

スリングシートの一種で、
リハビリ目的の立位&歩行訓練吊り具があるんですって!

子ども用のものと、大人用のものがあって、
子ども用のものは、かなり遊び感覚で使えそうです。

これも別注しちゃうかも~




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工事記録・段差解消機

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工事開始前と、開始1日後。

段差解消機は、ハーツエイコーのもちあげくんを、
車庫のうしろにある、ウッドデッキに設置します。

一部を切断して、階段部分も半分残します。

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基礎にコンクリートを打ちます。

もともとあったウッドデッキを加工したとは思えないほど、
違和感のない、キレイな仕上がりです~♪

この上に、機器を設置します。

Ugoki

動きは、こんな感じ。
ゆっくり上昇、下降します。

Src

ちゃむが乗ると、こんな感じ。
手すりは、取り外しできます。

SRCウォーカーでおでかけできるね~♪



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工事記録・お風呂リフト&車いす型バスチェア

Bath

浴室のリフトは、ミクニのマイティーエース

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吊り具は、
ミクニの子供用バスチェアを、改造していただきました。

お風呂用リフトの吊り具として、
バスチェアとして、
移動の車いすとして、
3つ分の機能を果たします。



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工事記録・階段昇降機

All

階段昇降機は、中央エレベーターのステップリフト

階段下は、リビング内からスタートできるように、
ぐるっとまげてもらいました。
リビングの天井走行リフトで吊った状態から、
階段昇降機の椅子に座れる位置になっています。

思っていたより、レールは圧迫感もなく、
歩行のジャマになりませんでした。

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ごきげんで乗ってます♪
このあと、安全のため、座位保持装置を乗せます。




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工事記録・リビングのリフト

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リビングのリフトは、竹虎ヒューマンケアのかるがるプチ
スリングシートは、こども用のハイバックです。

Lift_1

リビング内で、
座位保持装置や車いす、階段昇降機への移動に使用します。

2軸のレールを、天井に直接つけるため、
天井の補強、照明の付け替えもしました。




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工事記録・洗面所

Before

工事前の洗面所。

2階の洗面所とお風呂には、
廊下から洗面所へ約10cm、
洗面所からお風呂へさらに約10cmの、段差がありました。

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工事後の洗面所。

段差をなくすために、床と洗面台をさげました。
床をフローリング調にしたので、
廊下との一体感がでて、広くなりました。

Door

ドアは、とりはずし、
壁の厚みを半分にして、引き戸を設置しました。

この引き戸は、元あったドアと同じデザインで、
作っていただきました。




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工事記録・階段昇降機用座位保持装置

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階段昇降機の椅子は、
通常の座位能力がある大人用にできています。

ちゃむが安全に使えるように、
椅子に取り付ける、座位保持装置を作っていただきました。

内転パッドつきの座面、
腰ベルト、胸ベルトです。




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完成検査終了!

すべての工事が完了し、
完成検査がおこなわれました。

横浜リハビリテーションセンターのOTさん、建築士さん、
施工会社の担当さん、
区役所のワーカーさんが立ち会いました。

これにて、すべて完了。

最初の相談から、1年半が経過していました。

たくさんのかたにお世話になりました。
ありがとうございました!



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福祉住環境コーディネーター

今回の福祉住環境整備のためのリフォームで、
たくさん勉強しました。

これでおしまいじゃもったいない!

そう思って、さらにちょこっと勉強して、
7月に福祉住環境コーディネーター試験を受けてみました。

2級合格です!
やった~♪

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福祉車両になりました

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12月23日に、新しい車が来ました。
今度は、福祉車両。
スロープタイプで、車イスのまま、乗車できます。

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家のなかからみると、
うしろは、こんな感じ。

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リビングで車いすに乗せて、ウッドデッキに出て、
段差解消機で降りると、そのまままっすぐスロープの位置。

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グランドフリッチャーを乗せたところ。
2列目に車いすを固定してても、3列目にシートを出せます。

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ちゃむはここに乗ります。
いま乗ってないのは、お昼寝中のためです。

これで、おでかけがらくちんになりました。
あちこちいっぱい行こうね!




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